8月のお盆を過ぎると残暑がなく、すぐに秋の気配が漂ってくるサロベツ、オロロンライン沿いにススキの穂が伸びて澄んだ空に白い雲が映えます。
湿原は赤くなるというよりも黄色に黄葉し、秋の日差しを浴びて黄金色に光ります。
その中でヤマドリゼンマイがいち早く琥珀色に変わって、湿原の中で存在感を示します。花も9月は咲いています。ホロムイリンドウは澄んだ空の色を映したかのような青い色です。
寒暖差が大きい秋は、早朝によく霧が出ます。日の出の時間が遅くなってくるので、夜明けの幻想的な風景を見やすくなります。
輝くような葦原の黄葉も、何度か霜が降りるたびに、渋い色へ変わっていきます。
海岸では、葉が落ちた後にハマナスの赤い実が宝石のように光っています。湿原でも来年の芽吹きを約束して、種がはじけて散っていきます。
利尻も随分白い面積が増えてきました。平地であるサロベツにも、いつ雪が降り積もってもおかしくはない頃です。