初夏のサロベツ原野を代表するエゾカンゾウが咲きだすのはサロベツ西海岸が早めです。6月上旬にぽつぽつと咲きだしたものは、その年の気候によって、ゆっくり咲き広がったり、一気に咲き誇ったり。
海岸よりも一呼吸遅れて内陸のサロベツ湿原でもエゾカンゾウが咲きだします。コバイケイソウは、咲く年と咲かない年が交互にやってきますが、数年に一度、当たり年と呼ばれるほど一面に咲くときもあります。
近年、6月に霜が降りて全滅してしまう年も多いエゾカンゾウ、でも霜に当たらず咲いた年は、息をのむほどに一面咲きます。
大きくて華やかな花の影に隠れて、草むらに咲く小さな花もけっこうあります。足元も眺めながら遊歩道を歩くと良いです。
エゾカンゾウが咲き終わり、タチギボウシが咲きだすと、サロベツ原野も夏真っ盛りというイメージです。エゾカンゾウが咲いていないとがっかりする観光客が多いですが、タチギボウシなど地味な色ながらも、結構いろんな花が咲いているんですよ。
サワギキョウが咲くころ、イネ科の植物の穂が伸びてきて混在し、夏も終わりに向かってそろそろ秋が忍び寄ってきていることを感じます。