
炎が見える耐火ガラス付きの薪ストーブは、宿主の自慢であり生活の全てである。家族といえば、宿主が薪ストーブを使い続けることに不満はない。 薪を作るのも部屋に運び入れるのも全て宿主の仕事。灯油でも薪でも別にかまわないわけだ。
しかし母ちゃんにはひとつ不満がある。それは厳冬期、お客さんがいなくて夜早くに火を落としたときなど、 朝の室内温度が非常に低いことだ。室温が6度まで下がっている日もある。早めに起きて火をつけに行ってくれればいいが、 朝ご飯が半分できた頃にようやく起きて来る宿主は、まず耐火ガラスを磨き始め、日によっては灰を出したりする。 そして新聞紙を丸め、薪を入れる。ストーブに火が入るのは、朝ご飯を食べ始める頃だ。室温は6度のまま。本州なら、 所によっては真冬の屋外で朝ご飯を食べているようなものである。おまけに我が家の高級(?)薪ストーブは、 速攻で暖かくなることはない。鋳物であるストーブ自身がまず暖かくなってから、ようやく熱を部屋の中に出していく。 だから部屋の中が温まっていくのが非常に遅い。
地元の人の40代以上の人の話を聞いていると、昔の家は本州の家のつくりと同じように作っていたため保温性もなく機密性もなく、 朝起きると、寝息が掛け布団のところで凍ってバリバリになっていたといいます。最新式の家は、とにかく北国の気候を考えた家に なっているので保温性も機密性も抜群。全館暖房の家は、どこに行っても常に暖かです。
近所の新築の家に遊びに行くと、やはり全館暖房の家で、「いいな~、こんな家に住んでみたいなあ~」と思った私ですが、 そこの家のお年寄りが、「でもなあ、ストーブがないと、どこに座ったらいいのか落ち着かないんだよ・・」と言っていたのが ちょっと印象的でした。