喫茶お天気屋にお客さんとしてだけでなく、マスターの個人的な友人としてや、店のお手伝いなどして泊まりこんで過ごした人たちが、このゴールデンウィークよりちょこちょこ泊りに来ました。自分たちも含めてお天気屋難民と呼んでいます。稚内に行っても過ごすところがない…。
お客さんにとっては、列車の待ち時間が4時間ぐらいあっても、お天気屋で過ごしていれば良かったんです。自分たちも稚内でのちょっとした待ち合わせはお天気屋で過ごしていて、相方の用事がすんだら一緒に帰ってくれば良かったんです。でももうそういう便利な場所はなくなってしまいました。
昨年の今ごろ、マスターが長期入院していた旭川の病院を退院した時、自分たちは喜んで宿をお休みにして、旭川まで迎えに行きました。そしてうちに一泊した時、シャバに出て(退院して)何を食べたい?って聞いたら、「行者にんにくの餃子!」と言いました。ここ10年ばかり大腸の病気になってから食べてはいけないものだったので、大丈夫なのか心配しましたら、大腸のほうは問題なくてもう何でも食べられるんだから、との話でした。
10年ぶりに、嬉しそうに餃子を食べていたのが昨日のことのように思い出します。そして今年、また行者にんにくのシーズンになって餃子を大量に作っていると、ああもうまっちゃんは食べられないんだなあと思います。決して良い思い出ばかりではなく、喧嘩したり迷惑をかけられたこともあったけど、時間がたてば、ああもういないんだなあ、と、思い出とともに淋しく思います。