ここ20数年間、うちの宿に泊まった人が必ず見ていたものが、この張り紙をした置き物です。朝帰る前に、シーツと枕カバーを入れてねって書いてある、カゴに添える説明文です。
こんなにボロボロになっているもの、いい加減に換えればいいのにな~と思っていた人も多いのではないでしょうか。
でもこの張り紙は、当時ヘルパーをしてくれていた人に描いてもらったもので思い出があるもの、手描きの一点ものです。濡れたタオルにふれて男の子の髪がバクハツしても(実を言うとモデルの息子は剛毛で、10数年後、伸ばしっぱなしにするとこういう髪型になっていた!)土台がふにゃふにゃになってもボロボロになっても、愛着があって新しいものに作り替えることが出来ませんでした。
先日、この絵をかいてくれたヘルパーOGが家族で泊まりに来てくれました。前回来てからそれこそ20数年ぶりで、確かに髪には白いものが混じってはいたけれど、宿で知り合ったご主人も、ヘルパーOGも、雰囲気は全然変わっていなかったです。幼かった子供たちも立派な社会人になっていました。
ヘルパーOGは、今でも現役で使っているこの置き物や、洗面所の張り紙を見て、喜んでくれました。自分たちはさっそく「帰るまでに新しい張り紙を描いて!!!」って頼み込みました。で、書いてくれた新しい絵がこれです。
ヘルパーOGは、最後の夜に描き上げてくれて、仕事を果たして(!)帰って行きました。次に20数年も間を開けたら、宿はもうやっていないかもしれないから、次はもうちょっと早くおいでよね~とか言って見送りました。せっかく良いのを描いてくれたので、今度はいかに長持ちさせるか考えました。
原画はA3の紙にマジックで描いてあるので、きれいなうちにパソコンに取り込みました。土台は初代のものと同じようにビールの箱で作りました。そして濡れたレンタルタオルを入れても傷まないようにした改良型は…
壁にフックをつけて上からかけるようにしました。そうすれば濡れたり、大量のシーツで隠れてしまったりしないでしょうし、もしもボロボロになっても原画を取り込んであるので、またパソコンから印刷することが出来ます。
横から見ると、ビールの箱で作ったのがよ~くわかるようになっていますが、それがまた手作りのご愛敬です。
15日のブログに部品を買いに稚内へ行ったと書きましたが、実はフックやDカンを買いに行ったのでした。これでこの宿が続く限り2代目を使い続けられると思います。Tさんどうもありがとうね!