ちょうど1年前の今日、年末からずっと家にいて誰にも会っていなかったので、10日ぶりに宿主と二人で稚内へ買い物に出かけ、お天気屋へ寄りました。買い物のついでにお天気屋へ寄るのはお決まりのコース、2023年初お天気屋にして、まっちゃんが入れてくれたコーヒーを飲んだのは、それで最後になりました。

でもその時はそれで最後になるとは思わず、会話はいつもの通りでした。これから雪が本格的に積もったら店の前の除雪はどうするつもりだとか、買い物に行くのも大変になるよとか、我々が言ってもまっちゃんはすごく楽天的で、どうにかなるって、と言ってまっちゃん自身は心配をしていませんでした。

それどころか、自分で車を運転してあしたの城に来て、白みその雑煮を食べたい!と言っていました。うちが年末年始の営業をしていた頃は、まっちゃんも必ず泊まりに来て、関西風の白みその雑煮を食べていたので、それを懐かしがってくれていました。冬道なのに運転は大丈夫なのかい?って私は心配しつつ、でも白みそはまだ残っているから、お餅を持ってきてくれたら作ってあげる!白みそ、残しておくからね、と言ってお店をあとにしました。

結局、まっちゃんに白みその雑煮をご馳走することはできませんでした。今年の正月に、白みその雑煮を作ったとき、まっちゃんとの平凡な最後の会話を思い出したし、きっと正月が来て白みその雑煮を作るたびに思い出すんだろうなあ、と思いました。

まっちゃんが稚内でお天気屋を始めた年と、私が結婚してこちらに来た年と同じです。まあ言えば、よそから飛び込んで同じ年月を歩んできたわけです。まっちゃんが亡くなった直後は大変だったけど、連絡が取れなくなったことを心配した親戚の人が我々を探し当ててくれて、一番悩んでいた納骨の問題を思ったよりも早く解決してくれて、何もかも終わった今は、ただなんとなくぽっかりとした淋しさだけです。

まっちゃんの命日はまだちょっと先だけど、自分はその日にサロベツにいないし、ちょっと早めの思いを書いておくことにします。まっちゃんのいない稚内へは、買い物へ行くことも少なくなりました。